ドラッグストア商品はAmazonの主な販売カテゴリーの1つです。
仕入れや販売に注意が必要なのは、メーカーやブランドの知的財産権だけはありません。
旧薬事法(医薬品・医療機器等法)にまつわる表現や並行輸入品についても把握しましょう。
目次
医薬品・医療機器等法(旧薬事法)とせどりの重要性
「医薬品・医療機器等法」の正式名称は「医薬品・医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。
おなじみの薬事法が改正され名称が変わりました。
この法律がせどりとどのような関わりがあるのかについて説明します。
誇大広告の禁止例
ドラッグストアジャンルを扱う時に商品説明文を見て仕入れの判断をしていますか?日本では化粧品やサプリメントなどの医薬品として許可されていないモノに関しての効能や効果をはっきりと広告することは禁じられています。
実際に過去にNGとなった広告の表現はこんな感じです。
- 便通が良くなる
- 脂肪を燃焼して…
- 糖尿病の改善に
- 脂肪を燃焼して…
- 育毛効果
- シミ、シワ、くすみが消える
第1~3類医薬品の表示がないにもかかわらず「良くなる」「改善させる」「効果がある」など、ストレートな表現をしている物はアウトと覚えてください。
試しにAmazonのドラッグストアジャンルの商品説明欄を見てみると柔らかい表現になっています。
もしはっきりと表現している商品を見つけた場合は今後「販売不可在庫」になる可能性が高いので注意が必要です。
確認してみてくださいね。
海外向け製品の配合成分に注意
ドラッグストアジャンルの商品の中でも特に化粧品は日本以外でも展開されていることが多く、同じ商品でも海外向けに販売されている商品の方が安く仕入れできる場合が多いです。
しかし、商品名が同じだからといって中身も同じとは限らず、配合されている成分に違いがある場合がありますので注意が必要です。
相場よりも安いからと言ってすぐに仕入れるのではなくて商品説明欄をきちんと確認して下さい。
「海外仕様商品です」というワードが商品説明欄にあれば危険です。
正規品や並行輸入品のカタログで販売してしまうとトラブルの原因になりますので気をつけてくださいね。
こんな商品を販売してしまうと、購入者からのクレームだけでなくアカウントの閉鎖、次第によっては警察沙汰にもなります。
せどりで並行輸入品を販売する注意点
並行輸入品とは,メーカーが認める正規輸入代理店以外を通じて国内に輸入された商品。AMAZON.CO.JPが販売する並行輸入品はすべて本物で契約した輸入業者により輸入されます。正規輸入代理店を通さずに仕入れられるため,正規代理店取扱商品に比べて価格が安い場合や,国内未発売の商品を購入できる場合があります。これらについて,AMAZON.CO.JPではサポートを受け付けておりません。
また,AMAZONマーケットプレイスの出品者が販売,発送する並行輸入品には,出品者が個別に定める条件が適用されます。・一部の商品を除き,正規輸入代理店またはメーカーの保証や修理をお受けすることはできません。
・AMAZONマーケットプレイスの出品者が販売,発送する商品の場合独自の保証が付いている場合がありますので購入前に確認してください。
・製品のパッケージや説明書などが日本語の表記ではない場合があります。
・製品の仕様が正規代理店取扱商品と異なり,日本国内の使用に制限がある場合があります。
・並行輸入品は仕入れルートの違いにより商品箱,装飾などに誤差が発生する可能性があります。
・商品の性質や仕入れ,流通経路については販売元にお問い合わせください。
引用:Amazon公式サイト
このように、Amazonは並行輸入品の販売を禁止していません。
では何が問題なのでしょうか?
購入者側との認識違いによるクレームでアカウント閉鎖も
並行輸入品はほとんどの場合は海外版の商品です。
流通している国によって微妙に成分やパッケージに違いがあります。
しかし、購入者様からするとAmazonのカタログ写真がすべてで、写真と全く同じ商品が届くと認識しています。
結果として、正規流通版や日本仕様品との差異でお客様が偽物!!と思い込んでしまい、AMAZONから出品者に対して証明を求めてきます。
国内流通品と差がある事をお客様が認識していない事が問題です。
本メールの末尾に記載いたしました商品について,購入者から連絡が寄せられたため,現在,出品者様のアカウントに関する調査を進めております。商品はまだ出品中になっていますが,この問題が解決されるまで,お振り込みは保留され,アカウント残高はそのまんまになります。
引用:AMAZONからのメール
実際、あなたが取り扱っている商品が問題のない商品だとしても、AMAZONのシステム上、お客様がクレームを付けたらお客様第一主義のAMAZONは必ず出品者に上記のような問い合わせをしてきます。
もしこの時にAMAZONを納得させることが出来なかったら、あなたのアカウントは閉鎖され売り上げの支払いがとまります。
クレジットカードで仕入れをしている方は支払いが間に合わなくなり、せどりどころじゃなくなるかもしれません。
これだけならまだいいんですが、状況によっては税関あるいは警察から連絡があり、刑事事件として起訴され有罪になれば前科が付きます。
法令違反のリスクの認識
法令違反のリスクを出品者が認識していないことも注意点です。
本来は海外からの化粧品の輸入には規制がかけられています。
肌に直接触れるモノですので、何かあった場合の責任の所存を明らかにする必要があるからです。
その為、海外から化粧品を輸入する為にはこれらの手順を踏む必要があります。
- 「化粧品製造販売業または製造業の許可」を取得
- 厚生労働省から「薬藍証明」を取得
- 上記を税関に提出し,「輸入許可」を取得。
これ、個人レベルでは無理です。
ドラッグストア商品は国内正規品を仕入れよう
国内正規品であれば税関や警察から違反で摘発される事はありません。
簡単な見分け方はJANコードにあります。
(海外ではEANコードと言われています。)
これはどの事業者のどの商品なのかを表す世界共通の商品識別番号であり、その数字にはすべて意味があります。
国コードの確認
JANコードの最初の二桁の数字は国コードとなっています。
日本の場合は「45」「49」から始まります。
なので「45」「49」から始まるJANコードであれば並行輸入品ではないという事になります。
ちなみに「00」~「13」はアメリカ、「30」~「37」はフランス、「40」~「44」はドイツです。
法定表記シールをチェック
ここでポイントですが、上記のJANコードが海外の国コードであっても、正規のルートを経て入ってきた商品は販売が可能です。
見分け方は「法定表記シール」になります。
よく商品の裏面に貼られています。
日本語でこの法定表記シールが貼られていれば販売可能です。
じゃっ★